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少年時代に『大鉄人17(ワンセブン)』の超合金で、この世の天国と地獄を一日で味わった話。

泣く少年

先日27インチのセカンドモニターを買ったのだけれど・・・

僕はケチ根性が強くて、

何かを買う時に衝動買いはほぼしない!

 

調べに調べてから最もコスパが良くて、

自分のニーズを満たすものを吟味しまくって

やっと購入に至る・・・と云うヘビー・ケチ野郎だ!

モニター購入のブログはこちら

セカンドモニター 『1000文字リハビリ更新』ドケチな僕が選んだ27インチ4Kセカンド・ディスプレイ決定までの道のり

その事を先日のモニター購入のブログにも書いたのだけれど、

書いてる最中に、幼少期の悲しい出来事を思い出した・・・・。

もしかしたらこのケチ野郎が出来上がったのは

その出来事が原因だったかもしれない・・・・。

・・・そう思ったので、その事について書きたくなった。

 

幼少の頃にやっていたテレビの特撮番組で

大鉄人17だいてつじんワンセブン

というのがあった。

大鉄人17ワンセブン

石ノ森章太郎さん原作のロボットものの特撮テレビ番組だ。

当時、僕はロボットものが好きだったのだけれど、

ワンセブンを見た時、一目惚れしてしまった・・・。

「なんて、カッコいいんや!」

特に僕の心を惹きつけて離さなかったのは当時珍しかった

「ロボットの変形」だ!

ワンセブンはロボット形態から身体をかがめて要塞形態に変形する。

大鉄人17ワンセブン

これが要塞形態

ロボット形態だけでもイカすワンセブンが

変形なるものまでするなんて・・・・・・

僕はワンセブンに完全に心奪われてしまったのだった。

 

ワンセブンに乗りたい!

いや、ワンセブンになりたい!とまで思った(笑)

ワンセブンは当時珍しい

自立したコンピューター、

今で云うところのAIを搭載したロボットだったので

おそらくそういった先進性も手伝って

衝撃を受けたんだろうな・・・・(笑)

 

で、当然の事ながら、あれがほしくなる・・・・、

そう!「超合金」だ!

当時の子供たちの心を鷲掴みにする悪魔のおもちゃ!

「超合金」だ!

僕にとってはワンセブンの超合金を手に入れる事は

何よりも尊い最優先事項となった。

「いつか!必ずワンセブンの超合金を手に入れる!」

そう心に誓っていた。

 

当時、何きっかけだったか?忘れたのだけれど、

ついにめでたく超合金を買ってもらえる事になった僕は、

母親にデパートに連れて行ってもらえる事になった。

確か大丸だった・・・。

 

路面電車で街まで出かけた僕たちは

デパートに直行し、

化粧品の匂いが立ち込める一階をすり抜けて

おもちゃ売り場へとエスカレーターで向かう・・・。

まだ着かないのか・・・?とはやる心を抑えながら6階を目指す!

 

やっとの事でおもちゃ売り場に着くと

超合金が並べられたショーケースに吸い寄せられ

目当てのワンセブンを探す!

「あった!ワンセブンだ!」辛うじて一台だけワンセブンを見つけた。

ロボット形態ではなく要塞形態のワンセブンが飾られていた。

 

僕の興奮はマックス状態!

「これを手に入れなくては!生まれてきた意味はない!」

・・・と云う謎の使命感が心に宿る・・・・。

命を使う!と書いて「使命」

その時の僕は初めての使命感に支配されていた。

母親に「これがほしい!」と告げると・・・、

母親が店員さんに購入を告げてくれた・・・。

 

しかし、店員さん曰く・・・、

なんとそのワンセブンは最後の一台で

しかも、要塞形態のワンセブンで変形はしない!

・・・と云った事を母親経由で告げられた・・・・。

「え?変形しない・・・?」

「どういう事だ・・・・?」

ワンセブンは変形するのに、この超合金は変形しない・・・?

・・・・???

目の前の出来事が理解できず完全に混乱状態の僕・・・、

当時は変形する超合金はまだ珍しい時代だったので、

メーカーさんも変形するタイプのものと、

変形はしないけど安いタイプとを用意していて

ワンセブンの場合は変形しないロボット形態と

よせばいいのに要塞形態までご丁寧に用意されていたのだ。

今思うと、変形しない要塞タイプは要らんだろう!

とメーカーさんに云いたい!

 

しかし、そんな事は露知らず・・・、

マックスに上がりきったテンションの中、

何も買わずに帰ると云う選択肢はその時の僕にはなかった・・・。

しばらく葛藤した後、

半狂乱の状態で「そ・・・それでいい・・・それを買う!」

と云う結論を母親に告げた・・・。

 

母親はいぶかしそうに

「本当にいいのかね?変形せんぞね?」

と僕に念押しをするのだけれど、

僕は自分に言い聞かせるように

何度も力強く頷くだけだった・・・。

 

結局、僕は「変形しない要塞形態のワンセブン」を手に入れ、

大鉄人17ワンセブン

(これ・・・)

達成感と興奮・緊張からの開放で、

ボーッとした状態で母親と一緒に大丸を後にした。

 

街へ出かけるといつも商店街のアーケードの中にある喫茶店で

ホットケーキを食べるのが習慣だったので

帰りがけに母が喫茶店へ連れて行ってくれて

小倉ホットケーキを頼んで食べた。

ホットケーキが運ばれてくるまでの間、

隣の席に置いたワンセブンの箱を愛おしそうに見つめる僕。

憧れの大好きなワンセブンの超合金を手に入れたのだから

夢見心地なのは当たり前だ。

 

今は達成祝いのホットケーキを味わう時間なので

買ったばかりの超合金を喫茶店でひろげる様な

無作法な真似はしない、帰ってから開けるのだ。

その辺の聞き分けのない子供と一緒にしないでほしい・・・、

なんて事を考えていた様に思う。

我ながら、いけ好かないガキだ(笑)

しかし間違いなく、

あの喫茶店での時間は彼の短い人生の中で最も満たされた

幸せの刹那だった。

 

事件はその後起こる・・・。

家に帰った僕は、さっそく包装を解き・・・・、

ワンセブンを箱から出す!

すると、ワンセブンが現れた!

当然の事ながら「要塞形態」!!!

そりゃそうだ!(笑)

 

ひとしきり要塞形態のワンセブンを触ってみる僕・・・・。

当然の事だけれど、変形はしないし、

要塞形態のワンセブンはほぼ可動するところがない!

人生初の超合金だったため、

変形しないと云う事がどう云う事なのか?

馬鹿だからよく分かっていなかった僕は、

ここで、やっと事の重大さに気づく・・・・・・、

「要塞形態は・・・・・全く面白くない・・・・・」

「これは・・・・僕が欲しかったものではない・・・・・」

気づいた時には涙が止まらなくなっていた・・・・。

さっきまで人生で初めて味わう幸せの絶頂に立っていたのに

一瞬にして、自分の愚かな選択による地獄の様な結末に

完全に心を打ち砕かれてしまったのだった・・・・(笑)

 

そのあまりの落差に・・・・涙が止まらなくなった僕は

やがて、嗚咽おえつをはじめ・・・・・

一人ワンセブンの要塞形態を握り締め、慟哭していた。

それに、気づいた母親が「どうした?」と

慌てて駆け寄ってきた。

 

僕は嗚咽おえつしながら・・・・、

「変形せん・・・・ってこういう・・

・・事って・・・・思わんかった・・・」

ともはや意味不明の言葉を、

涙ながらに母親に伝える・・・カーミー少年・・・。

母親は・・・困惑顔で、

「だから云ったやん!もう〜〜・・・」

と呆れ果てる・・・・、

 

初めて味わう喪失感と絶望感で世界から見放されたカーミー少年は

この日、人生の絶頂とどん底を両方とも大幅に更新して

初めての大きな挫折の涙に溺れたのだった・・・おわり(笑)

 

と云うわけで、

僕のケチ根性と

絶対的に衝動買いをしない慎重さは、

この時生まれたのではないか?

というお話でした。

 

あ〜書いていて色々思い出しました。

懐かしいな・・・。

昔の事を思い出してはエッセイを書いてます

『母のワンピースのファスナー』を上げるのが好きではなかった、幼い頃の僕を見つけた話。

子供 道 気がつくと「良い人」を演じる僕・・・、褒められるのが苦手だった子供の頃がそうさせるのか?

たんぽぽ 「親戚の変なオジサン」みたいな志村けんさんが亡くなってポッカリと胸に穴が空いた・・・。

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