本の「自炊」はよく耳にしますが、本を裁断してバラバラにしてしまうのは忍びない・・・、でも電子化してスマホやタブレットで便利に読み返したい・・・、なんて矛盾した悩みはないでしょうか?
特に紙のアナログ本を愛する人はこういった悩みがあるのでしょうないでしょうか?
CZUR ET24 Proはそういった方にうってつけの「非破壊」のブックスキャナーなので、本を傷めずに電子化する事が可能です。
おまけに多彩な機能で日常の紙の悩みをスマートに解決してくれますので一台あれば一石二鳥にも三鳥、四鳥にもなりそうな予感。
この記事ではCZUR ET24 Proの非破壊ブックスキャンとその他の機能をじっくりレビューしますので最後まで読んでみて下さい。
目 次
CZUR ET24 Proのメリット・デメリット
CZUR ET24 Proのメリット・デメリットをまとめてみました。
- 本を非破壊スキャン可能
- 1秒/枚の高速スキャン
- 湾曲補正・見開き・トリミング・平坦化が全て自動
- 複数の対象物を同時にマルチスキャン可能
- フットスイッチなど便利なオプションが付属
- ややお高い
- 設置にややスペースが必要
このレビューはメーカーさんに製品をご提供頂き、Studio Kamix(スタジオ・カミックス)の「メーカーさんに忖度しない」レビュー・ポリシーにご同意いただいて制作しております。m(>o<)m
CZUR ET24 Proの開封
さっそく開封していきます。
パッケージのサイズはなかなか大きいですね。ブラックにシンプルな「CZUR(シーザー)」さんのロゴが渋い。
▼開けるとこんな感じ
しっかりとした梱包になっていて、内部で製品がスチロールでホールドされているのでかなり安心感があります。
付属品が多いので小さい箱に分けて収納されています。
▼出してみるとこんな感じ
それぞれが何の付属品が入っているのか?が書かれていて、ありがたいですね。
付属品一式
▼付属品を全部出した状態
- 本体
- サイドライト
- フットペダル
- ハンドボタン
- 作業マット
- 電源アダプター(変換プラグ付)
- 指サック
- USBケーブル
- インストールCD
- スタートガイド
付属品がとても充実しているのが「CZUR ET24 Pro」の特徴でもあると感じています。
特にハンドボタンやフットペダルなどあると便利なオプションがはじめから備わっているのは大変ありがたいですね。
▼こちらはフットスイッチ
▼こちらはハンドスイッチ
どちらもUSB Type-Aで本体に接続してボタンを押す事でスキャンが可能となります。
その他の付属品についても後述していきます。
CZUR ET24 Proの見た目
CZUR ET24 Proは全身「ブラック」外観でシンプル・ベーシックな印象です。
デスクに常設しても違和感はなくて先進的なデザインがスタンディングデスクにもよく似合いました。
上部にはなんとモニタリング用の専用液晶がついていますので、ココを見ながらスキャンができますね。
スタンド部上面にはボタンが備わっていますので、このボタンである程度の操作は可能となっています。
- トップライト調整
- ズームイン
- ズームアウト
- スキャン
スタンド部背面にはインターフェイスや電源ボタンなどがまとめて配置されています。
- HDMI
- リセットボタン
- ハンド/フットボタン用USB-A
- USB PC(ホストデバイスと接続)
- DC
- 電源オンオフ
背面はインターフェイスがずらりと揃っています。
背面にはサイドライトを接続するインターフェイスが備わっています。
サイドライトは磁力でカチッと固定されます。
サイドライトを使うことによってライトの映り込みなどを緩和できる様ですね。
▼付属のサイドライト
サイドライトによってスキャン機能に差が出ている部分もあるので、なくてはならない大事なパーツですね。
本体上部の下側にはメイン・カメラとLEDライトが10基備えられています。
▼こちらがメインのカメラですね。
メインカメラとLEDライトがかなりしっかりとしています。
スキャン性能の高さに期待できますね。
CZUR ET24 Proのセッティング
CZUR ET24 Proをセッティングしていきます。
付属品が多いのと、インターフェイスも多いことから難しそうと思われがちですが、セッティング自体はたいして難しくありません。
「ソフトウェア・インストール」と「配線の繋ぎ込み」を行えば使える様になります。
ソフトウェアインストール
ソフトウェアは下記のメーカー公式サイトからダウンロードして、そのままインストールするだけです。
インストールCDも付属していますので、CDからソフトウェアを入手する事も可能です。
▼付属のインストールCD
配線セッティング
配線繋ぎ込みは「電源」をとるのと「USB PC」端子でMac/PCをつなぎ、必要に応じてスイッチ(ハンド/フット)をUSB Type-Aにつなぐだけです。(※スキャナ側はUSB Type-B端子)
▼付属のUSB Type-Aケーブル
整ったら原稿をのせる専用マットを敷きます。
以上が整ったら、スキャナの電源を入れて、ソフトを起動すればOKです。
簡単ですよね。
CZUR ET24 Proの基本的な使い方
基本的な使い方としては「スキャン対象を配置」したら「スキャンボタンを押す」だけです。
▼基本スキャン(動画)
ボタンを押すと瞬時にスキャンされてファイルとしてMac/PCの専用フォルダに保存されています。
以前に書いたイラストをスキャンしてみました。
▼スキャン中の画面
あっという間にスキャンされてMacの任意フォルダに保存されます。
▼保存されている画像
モノクロの画像ですがしっかりとスキャンされていますね。
自動平坦化
スキャンする際に原稿が歪んで置かれていても自動で平坦に修正してくれます。
▼こんな風に歪んで置いても
ソフトウェアが認識してくれて平坦にした上でデータを出力してくれますので安心ですね。
ほんと、賢いですね。
オートトリミング
そして、平坦化と同時にトリミング(切り取り作業)も自動で行ってくれます。
いちいちスキャン対象の範囲を指定したりする必要がないのはとても助かります。
CZUR ET24 Proのブックスキャナー
CZUR ET24 Proは「ブックスキャナー」です。
つまり「本・書籍」が大得意分野ということなので、さっそく本を試してみました。
(スキャンテストに本を使うのは、いささか問題があるので古い書類で試してみました。)
まずは動画を見てもらうと分かりやすいでしょう。
▼ブックスキャン動画
いかがでしょうか?なかなかのスピードでスキャン可能ですね。しかも本を破壊しなくて良いのが嬉しい。
「非破壊スキャン」という本を傷めることなく、高速でスキャンできるのがCZUR ET24 Proのすごいところですね。
実際にスキャン後に保存されたデータがこちらです。
左右のページがきちんと分割されて保存されます。
左側のページはもともと印刷がないのですが、裏写りがスキャンされているのが分かります。
フットスイッチ
そして、このスピードを実現してくれる頼もしいアイテムが「フットスイッチ」です。
▼フットスイッチ
スキャン開始操作を足元でできるというアイテムですね。
本をスキャンする際は、両手で本の左右を開きますので、両手がふさがっていてスキャンボタンは押せません。
そこでフットスイッチを使うと、準備ができたら「踏む」、準備ができたら「踏む」という繰り返し作業でサクサクと作業がはかどるんですよね。
フットスイッチのおかげでスキャン作業にかかる時間は大幅短縮できます。
見開き自動分割
フットスイッチと同じくらい便利なのが「見開き自動分割」です。
文字通り、本を見開いた時に自動で左右のページを分割してくれて1ページずつ別々に保存してくれます。
スキャン画面では以下の様に真ん中を認識して分割してくれます。
スキャン自体は一回だけですが、その後左右のページに分割してくれて1ページずつ保存する訳ですね。
これを自動でやってくれるからブックスキャンが爆速になります。
専用指サック
見開きの作業をさらに便利にしてくれるアイテムが「指サック」です。
なんとこの指サックで本を押さえると、スキャンした画像には指が映りません。
スキャナーが自動で指サックを認識してくれて画像から指サックを削除してくれます。
サイドライトで光沢抑制
CZUR ET24 Proにはサイドライトが付いていますが、このライトが原稿の照り返しを抑制してくれます。
真上にあるライトの光の当たり方とスキャン対象の紙質(特に光沢のある場合)によっては、原稿が一部光ってそこの部分だけスキャンできない事があります。
CZUR ET24 Proの付属のサイドライトはそういった現象をサイドから光を当てる事で抑制してくれます。
CZUR ET24 Proの応用
ここからはCZUR ET24 Proを応用的に使ってみました
レシート・スキャン
レシートを複数スキャンしてみました。
▼動画
専用マットの上にレシートを並べて、スキャンを開始すると個別に認識して平坦化、トリミングを行って個別に保存してくれます。
「これ最高!ですね」レシートを保存されている方はぜひCZUR ET24 Proを取り入れてもらいたいです。
▼ソフトウェア画面表示
▼保存されたレシートデータ
写真スキャン
写真のスキャンもお手のものです。
▼動画
写真もレシート同様に複数枚同時にスキャンできます。
(試しに子供の時の古い写真をスキャンしてみました。)
▼実際スキャンしたものがこちら
高解像度で残したい場合には不向きですが、そこそこの解像度で良いのであればこの写真スキャンでも良いでしょう。
ビジュアルプレゼン
CZUR ET24 Proは本体背面に「HDMI」インターフェイスを備えています。
HDMIケーブルを挿してモニターやプロジェクターなどに接続すれば手元のプレゼンが行える様になります。
手元の資料を映したり、プロダクトを映したりとアイデア次第で使える幅は広いので仕事や趣味でも使えそうですね。
OCR
CZUR ET24 Proのソフトウェアには、文字を認識してテキストデータ化してくれる「OCR機能」が備わっています。
こちらも人によっては重宝する機能だと思いますので試してみましたが、結果的には文字の読み取り精度が8〜9割くらいの感じでした。
エクスポート(書き出す)形式もDOC形式、PDF形式、TXT形式など用途に応じて選べます。
文字情報をテキスト化して使いたい場合はこのOCRがあると助かりますね。
電子帳簿法対応
昨今は「電子帳簿法」なる法律ができて法人はもちろん、フリーランスや個人事業主も電子帳簿法に対応しなくてはならなくなった様です。
かなりザックリというと「会計関連書類を電子化して保存しなくてはいけない・・・」という法律の様なのでCZUR ET24 Proの様な万能で高性能なスキャナがあると電子帳簿法対応の際にかなり役立ちそうですね。
本の自炊(自分でスキャン)行為
本の自炊をする場合、裁断機で本をバラバラにしてからフィーダー(紙送り)付きのスキャナで電子化する人は多いと思います。
しかし、この方法の場合に問題になるのが「本を破壊」してしまう事です。
せっかく購入した本を電子化するとはいえ、バラバラにして捨ててしまうのは忍びないですよね。
CZUR ET24 Proのブックスキャン機能を使えば、本を破壊する事なく「非破壊スキャン」が可能となります。
もちろん本を破壊してフィーダー付きスキャナーを使った方がスピードは速いかもしれませんが、CZUR ET24 Proのブックスキャンは「見開き2ページで1秒」でスキャンできます。
ページをめくって固定する時間を2秒とすると・・・、
「1.5秒/ページ」でスキャンできることになります。
200ページくらいの本であれば「300秒」つまり「5分」で完了できるスピードですね。
1冊10分もかからないのであれば、かなり手軽にスキャンできますよね。
自炊した本を個人で楽しむ範囲であれば違法性はないと判断される事が多い様です。
しかし、図書館などで借りた本の場合は違法性があると判断される可能性が少なくない、との見方もある様です。
いずれにしても著作物には著作権がありますので、本をスキャンして個人的に楽しむ場合もデータの取り扱いなどにも注意が必要ですね。
また、当たり前ですがスキャンしたものを共有する行為は「違法行為」です。間違っても違法行為にならない様に注意しましょう。
CZUR ET24 Proのスペック
CZUR ET24 Proのスペックをまとめました。
画素数 | 2400万画素 |
解像度 | 5696×4272ピクセル |
カラービット数 | 24ビット(約 1,677 万色) |
スキャン解像度(DPI) | 320dpi |
センサー | CMOS(sony製) |
スキャン速度 | 1秒/枚 または見開き2ページ |
対応サイズ | A3 A4 |
最大原稿サイズ | A3 : 420×297mm |
エクスポートフォーマット | JPG、Word、Excel、PDF、検索可能な PDF、TXT、TIFF |
OCR | 187言語対応 |
LCD液晶画面 | 2.4インチ 4:3(解像度320×240) |
搭載ライト | トップライト(LED10基) サイドライト(LED4基) |
対応OS | Windows 10/11(32bit/64bit) MacOS 10.13(High Sierra)以降 Linux |
本体サイズ | 23.4×40×0.18mm |
重量 | 1.5kg |
生産地 | 中国 |
CZUR ET24 Proのよくある質問Q&A
CZUR ET24 Proのよくある質問Q&Aをまとめてみました。
- 使うまでの設定は難しくありませんが?
- 難しくありません。ソフトウェアのインストールと配線をつなげれば簡単に導入可能です。
- スキャン後の作業はありますか?
- スキャンボタンを押せば自動で処理をしてくれてデータが任意のフォルダに保存されるので、特に必要な作業はありません。
- OCR機能の正確性は?
- 試してみた感じでは8〜9割の正確性でしたが、文字の大きさや、現行の湾曲具合、フォントの種類などで正確性も変わりそうでした。
メーカー
さて、CZUR ET24 ProのメーカーであるCZUR(シーザー)さんですが「どこの国のメーカーなの?」「安心できるメーカーなの?」と気になる方は多いと思います。
「CZUR(シーザー)」さんは「中国」のメーカーです。そして、驚いた事に「スキャナ一筋の専門ブランド」なんですね。
中国のシリコンバレーと言われている「深セン市」に拠点を置くハイテク企業の1つで2023年でちょうど設立10周年になる企業さんですね。
2013年中国大連で設立。「次世代のスマートオフィス化」を志し、2022年4月、シリーズ累計30万台の出荷実績、Makuakeでは過去合計2.2億円の支援。自社工場生産による高品質と日本現地のアフターサービスが評価され、日本国内でもヨドバシカメラ、ヤマダ電機など大手家電量販店で製品が取り扱われている
スキャナ一筋の専門ブランドで、しかも10年間業界を牽引している企業さんなので安心できそうですね。
まとめ
CZUR ET24 Proは本を破壊せずに「非破壊スキャン」したい人にはかなり有益なデバイスになるでしょう。
僕も「紙のアナログ本」が大好きなのですが、電子化した方が便利なのも頷けるのでKindleで電子コンテンツを読む事も多いです。
手元にアナログ本を置いておくのはコレクション心も満たされるし、紙の手触りを楽しめるのと、何より所有している感覚が強いですもんね。
そういった方にはCZUR ET24 Proは強い味方になってくれるので、ガンガンとブックスキャンしてアナログとデジタルを両方楽しむのは最高ですね。
また、日常使いとしてもレシートから始まって手紙やハガキ、さまざまな案内、職場やこどもの学校の書類など、現代の生活はまだまだ紙があふれかえっています。
それら日常の紙をサクサクとCZUR ET24 Proでスキャンする習慣をつけておけば、リビングのテーブルの上が紙で埋もれたり、要るのか要らないのか?よく分からない謎の紙束ともおさらばできるでしょう。
使い方も簡単なので日々の生活のクオリティをCZUR ET24 Proで上げていきたいですね。