2023年11月某日、あまりにも「自然の中へ行けてない・・・山に行けてない・・・・」という焦りから、急遽思い立って「石鎚山」登山を敢行しました。
あまりの準備不足で少しビビりながらですが「まあ登頂できなくても途中まで行ければいいでしょ〜」という軽い感じで奥さんと二人で臨みました。(道連れにされた奥さんには申し訳ない)
結果的に、ほぼ初心者の僕らににとって西日本最高峰の「石鎚山」はやはり簡単な山ではありませんでしたが、魅力的な山ゆえに、気がつくとついつい山頂まで足を伸ばして無事登頂する事ができました。
ただ、奥さんは膝に負担がかかりすぎて下山中に足をひきずる事になってしまったり、ロープウェイに遅れそうになったりとトラブルはたくさん有ったので、やはりちょっと無理のある準備不足の登山でした。反省です。
でも、石鎚山は見どころもたくさんあって普通に何度も訪れたい山の一つになりました。
この記事は石鎚山をロープウェイ側から登るルートのレビューをまとめています。
ぜひ、最後まで読んでみて下さい。
▼日本百名山、西日本最高峰1984m「石鎚山」
▼YAMAPにもログを残しています。
目 次
石鎚山ロープウェイへのアクセス
松山道「いよ西条IC」から車で「約40分」。
西条市の街中を抜けて、南へ伸びる加茂川沿いの道を進み、黒瀬ダムに沿ってさらに山の方へ向かっていきます。
ダムを抜けたあたりから山道になります。
途中に美しい渓谷もあり紅葉のシーズンは美しい渓谷美が楽しめますね。
ロープウェイに着くまでの道中も楽しめますので余裕があれば散策したいところです。
駐車場
ロープウェイの駅に着くと現地の駐車場を案内されます。
当日は観光の方も登山の方も、大体の方がここに停めている様?でした。
無料駐車場もあるのかも?ですが、どこにあるのか?どうやって利用できるのかまでは、今回は調査できずでした。
道を進んでいると外国人誘導員に勝手に誘導されるので、正直選択肢がないですね(汗)
「観光地にありがちなアレかな?時間ないし、めんどくさいからいっか・・・」という気持ちで駐車しました。
駐車場利用料金は「500円」で時間制限などはなさそうでした。(少なくともその日のウチは大丈夫だったと思います。)
実はこの駐車場は温泉旅館が併設されていて、帰りに温泉を利用する場合は一人分無料にしてくれます。
僕は帰りに奥さんと二人で温泉を利用してプラス500円で済みました。
なので、「駐車場台+温泉2人分=1000円」で済んだのでラッキーですね。
温泉に入ると駐車料金はすぐに元が取れるので全く問題なしでした。温泉のレビューはのちほど。
石鎚山登山道
石鎚山への登山道はざっくり4つくらいあるみたいですが、最もポピュラーなのはロープウェイ経由のルートと、南側の土小屋と言われるところから登るルートの2つみたいですね。
その他にも美しい渓谷である面河渓谷から登るルートもあるらしいのですが、こちらは中級者以上向けという感じでした。
なので今回は北側のロープウェイから登るルートです。
ロープウェイにリフトもあるのでちょっと楽しい気持ちで臨みましたが、あとで見くびっていた事に気づきます(笑)
ロープウェイを使って麓から登りますが、距離的にも高低落差的にもなかなかキツいルートです。
四国の北側や本州から来られる場合はこちらのルートの方を利用される事が多いでしょう。
ロープウェイ
駐車場で登山の準備を終えたらロープウェイの駅へ向かいます。
ロープウェイ自体は「約8分」くらい。
料金は大人往復で「2,200円」でした。
▼石鎚山ロープウェイ料金表
ロープウェイ券種 | 新運賃 | |
大人 | 往復 | 2,200円 |
片道 | 1,200円 | |
小人 | 往復 | 1,100円 |
片道 | 600円 |
▼石鎚登山ロープウェイのサイトはこちら
ロープウェイは標高差約850mを上がりますので、なかなかの絶景が見られます。
▼派手なカラーリングのロープウェイ
あと、降りてくる時間が運行時間を超えてしまうとトラブルになりますのでロープウェイの最終時間には注意が必要です。
リフト
ロープウェイを降りたらリフトを使って石鎚神社中宮まで行くルートと、歩いて行くルートの二つに分かれます。
僕らは足を温存したかったのでリフトを使いました。
確か片道400円往復700円だったと思います。
リフト営業時間内に戻れるか?分からなかったので、とりあえず片道にしました。
リフトも気持ちが良いのでおすすめです。
石鎚神社 中宮 成就社
リフトを降りて少し歩くと石鎚神社 中宮 成就社に着きます。
ここは頂上にある石鎚神社 奥宮まではなかなか行けないという方がお参りをされる石鎚神社 中宮があり、中継場所の様な感じでしょうか?
宿泊施設などもあって賑わいのある場所です。
神門と呼ばれる登山道への入り口となる鳥居があり、いよいよここから登山が始まるといったスタート地点ですね。
ドラゴンクエストでドラゴン退治に出かける前の旅人たちが集う街の様な雰囲気があって、とても魅力的な場所でした。
ゆっくりと見て回りたかったのですが、本殿にお参りだけさせてもらって神門から頂上を目指す旅へと向かいました。
遥拝所(ようはいじょ)
遠く離れた所から神仏などをはるかに拝むために設けられた場所。
石鎚山登山道工程
神門から旅立つとまずは下り道が始まります。
この下り道がまあまあ下っていて、「これは帰ってきた時に最後の上りになるんだな・・・」と思うと、「そんなに下らないで〜〜」という気持ちになりました(笑)
この時はまだ全貌が掴めていなかったのですが、石鎚山の今回のルートは大きく分けて5つで考えると良いかなと思い、まとめてみました。
▼石鎚山 ロープウェイ・ルート工程まとめ
- 駐車場
- ロープウェイ
- リフト
- 石鎚神社 中宮 成就社
- 神門
- 石鎚山 遥拝の鳥居
- 八丁坂
- 八丁(最も低い場所)→上りはじまる
- 試しの鎖(迂回可能)
- あめゆ屋さん
- 夜明け峠
- 一の鎖(迂回可能)
- 石鎚神社鳥居&トイレ休憩所
- 二の鎖(迂回可能)
- 三の鎖(迂回可能)
- 弥山頂上
- 石鎚神社 奥宮 頂上社
- 天狗岳
- 南尖峰
全工程は「約3.6km」ですが、とてもそんな距離には思えません(笑)
僕は市民ランナーでもありますが、ハーフマラソンくらいの疲労感は余裕でありました(汗
上り部分
八丁坂の下りを終えて、登山工程の中でもっとも標高が低い場所「八丁」からはずっと上りが続きます。
標高1300mから頂上の弥山1974mまで674m一気に上がる感じなので、とんでもない上りになります。
とりあえず、八丁からしばらく登っていくとハードな上りに息切れがします。
結構登ったかな・・・というところで初めての鎖場「試しの鎖」が現れます。
今回は鎖にチャレンジする余裕は全くなかったので完全スルーでした。
鎖場を攻めている人は本日はあまり見受けられず、ほとんどの方が迂回路を進まれてる様でしたね。
その後、謎のあめゆ屋さんが現れます。
「こんなとこにあめゆ屋さん・・・」と驚きました。
「力水」という水やあめゆを売ってるらしいです。
今回は時間もなかったので足早に通り過ぎてきました。
あめゆ屋さんを過ぎると、いよいよ上り工程の中で唯一の平坦に近く開けた場所「夜明け峠」に出ます。
夜明け峠
夜明け峠までは木々に遮られて風景を楽しめるスポットは少ないのですが、夜明け峠はすっかり開けていて石鎚山の頂上を見上げる格好になるのと、周りの山々もよく見渡せる様になってなかなかの絶景が楽しめます。
ここで、ハードな上りで萎えていた気持ちがパッと明るくなって、グッと気分が変わりますね。
ただし、ここからは更に急登に磨きがかかります(笑)
石鎚神社鳥居・トイレ休憩所
そして、「一の鎖」が現れるのでそこを過ぎるといよいよ石鎚神社鳥居に着きます。
ここは反対側の土小屋からのルートと交わる場所でもあるので、一気に登山者が増えます。
休憩所・トイレあたりも大変混み合ってました。
僕はトイレは利用しませんでしたが、山登りを楽しませてもらってありがたいのでカンパしておきました。
ここから最後の上り、頂上の石鎚神社 奥宮までの険しい参道という事ですね。
「二の鎖」「三の鎖」が現れますが、当然スルー、時間的にも体力的にも余裕が全くありませんでした。
迂回路にはところどころ、しっかりとした鉄製の階段などが設営されています。
危険な場所なので、かなり頑丈で安心感のある階段は心強いですね。
これなら子供でも上がれそうです。事実、小学生低学年くらいの子供もちらほら来てました。すごいな〜キッズ。
最後の上りは景色も抜群に良いので、しんどいですが、楽しみながら登れるのであっという間に頂上に到着です。
山頂・弥山
山頂には石鎚神社 奥宮と山荘があります。
たくさんの人が滞留しますので、かなり賑わっていますね。
石鎚神社にお参りして小高い石の上で写真を撮って、道の脇でご飯を食べたら時間がないので足早に退散です。
石鎚山には3つの頂があり、神社と山荘のある場所が「弥山(みやま)」、弥山から東に見える最高峰「天狗岳(1982m)」、天狗岳からの隣の「南尖峰(1982m)」となってます。
今回はロープウェイまでの時間がなかったので天狗岳はあきらめました。
天狗岳・南尖峰
天狗岳は切り立った岩場を進まなくては行けない上に、迂回路もありませんので少々危険が伴います。
ヘルメットなどの装備をキチンとして行った方が良さそうです。
僕も次回は、もっと余裕を持った計画を立てて天狗岳にアタックしたいと思います。
下り
さて、下りです。石鎚山は上りもきつかったですが、下りもこたえます。
上がって来た674mを今度は一気に下る事になります。
普段使わない筋肉を使うので、あっという間に膝や足首などに負担がかかって来ます。
今回もなかなか苦労しました。
八丁まで到達すると、あとは上りになります。
最後の上りがなかなかきついですが、先ほど味わった山頂への急登を考えると、ぜんぜん楽に上がれますね。
石鎚神社 中宮の和やかな雰囲気の場所に着くとホッとしました。ドラゴン狩から帰った旅人の気分です(笑)
しかし、今回はロープウェイの最終時間まで全く余裕がなかったので中宮からの最後の道も急いで進み、なんとかロープウェイに間に合いました。
温泉
車を泊めた駐車場に併設している温泉宿泊施設は温泉の利用が出来ます。
劇的にボロボロになった僕らも迷わず温泉に入る事にしました。
駐車場利用者は1名分タダになるのでお得ですよ。
古くて趣のある建物です。浴場も割と広くて10人くらいは同時に入れそうな感じですね。
お湯は白濁していて、効能が期待できそうでした。
僕が入った時間はちょうど人が居なくなったので貸切状態で楽しめました。ありがたい。
ロープウェイから降りて来て着替えたら、すぐに温泉に浸かれるのはかなりぜいたくですね。
登山の疲れを癒すことができて最高でした。オススメです。
▼石鎚京屋観光旅館
まとめ
というわけで、無計画に飛び出した石鎚山登山でした。
奥さんの体力や脚の事を考慮すると、そこそこまで行って引き返そうと思っていたのですが、期せずして山頂まで無事に行けたのでラッキーでした。
ただ、あまりにも下調べをしてなかったのは反省ですね。
ロープウェイにもなんとか間に合ったのですが、下手してロープウェイに乗り遅れると、暗く急な長い山道を下りる事になるので相当の負担がかかるので中宮の宿泊施設に泊めてもらうとかしないといけなくなっていたかもしれません。
今回はたまたま運が良かったのだと思うので、次回はもう少し時間管理など準備をちゃんとやるようにします。
とてもハードは石鎚山でしたが、鎖場や天狗岳を除けば想像していたよりも危険な場所は少なくて登りやすいなと感じました。
ウチの奥さんも鎖場や危険な道は「絶対嫌だ!」と言ってましたが、彼女でも登り切れたので脚と体力さえあればなんとかなりそうですね。
とは言え、足元の悪い場所もたくさんありますので油断はできないですが、鎖場が4つもあると聞くとよほどの危険ルートがあるのかな・・・と思ってましたが、しっかりとした迂回路があるので全く問題ありませんでした。
ちなみに水は二人で2Lくらい飲みました。途中の補給場所はあめゆ屋さんくらいしかないので、水や食料は万が一にも備えて多めに持っていって方が良さそうです。
▼YAMAPにもログを残しています。