登山やトレッキング、アウトドアでスマートウォッチを使いたいという人は多いでしょう。
でも、Apple Watchはバッテリー持ちも悪いし、デザインもそもそもアウトドア向きではないので、アウトドアのアクティビティでも活躍できるスマートウォッチはニーズが多いと思います。(Apple Watch Ultraは高い)
そんなニーズを叶えてくれるのが「Amazfit T-Rex 3」になりそうです。
この記事では実際にAmazfit T-Rex 3を使い込んでみたレビューをメーカーさんに忖度せずに、良い点も悪い点も紹介していますので、気になる方はぜひ最後まで読んでみてください。
目 次
Amazfit T-Rex 3のメリット・デメリット
Amazfit T-Rex 3のメリットデメリットをまとめてみました。
- 1.5インチ大型美麗液晶画面
- 6衛星対応のデュアル位置情報システム
- バッテリー最大27日
- 防水・高耐久性
- AI機能搭載
- クラウン操作はない
- NFC等決済機能はない
- アプリの検索機能が弱い
- 通話機能はない(スピーカーなし)
このレビューはメーカーさんに製品をご提供頂き、Studio Kamix(スタジオ・カミックス)の「メーカーさんに忖度しない」レビュー・ポリシーにご同意いただいて制作しております。m(>o<)m
Amazfit T-Rex 3の開封
それでは開封していきます。
パッケージはAmazfitシリーズの必要十分なシンプルなスタイルでした。
エンボス加工された本体写真はとても迫力がありました。
開けると本体が現れます。想像していたよりも大きくて期待感が高まります。
付属品一式
付属品は多くありません。
- 本体
- マニュアル
- USB Type-C専用充電器
- 専用ドライバー(バンド着脱用)
- バンド取り替え用パーツ
バンドを取り替えるための専用ドライバーと専用パーツがついています。
▼バンド取り替え用パーツ&ドライバー
Amazfit T-Rex 3のバンドを固定しているネジ穴は特殊なので専用のドライバーでないと開け閉めができない様でした。
また、バンドの幅に合わせて取り替えられる根本のパーツが付属しています。
▼専用充電器
専用充電器はかなり小型になっています。
USB Type-Cのインターフェイスがついていますので、USB Type-Cのケーブルで繋ぐと充電が可能となります。
まあ、昨今はUSB Type-Cの機器が増えたのでケーブルで困る方は少ないでしょうね。
USB Type-Cケーブルを専用充電器につなぐとあとは本体に磁石で吸着する様になっていますので、充電器が外れて充電きていなかった・・・なんて事は起きにくい仕様になっています。
Amazfit T-Rex 3の見た目
それでは本体を見ていきます。
たいへん大きな液晶画面です。
なんと1.5インチという僕は経験したことのないサイズです。
手に取った瞬間に思わず「画面でかっ!」と漏れるほどでした(笑)
右サイドにはボタンが二つと本体保護も兼ねた金属パーツが備わっています。
左側も2つのボタンが備わっています。こちらサイドには金属パーツの代わりに四角い樹脂パーツがあり、山のイラストが刻印されていました。
細かいですが、嬉しいこだわりですね。
裏面には各種センサーと充電用の接点が備わっています。
ベルトは抗菌性で肌に優しいリキッドシリコンが採用されています。
ゴツゴツしたデザインがミリタリーっぽくてとても良いですね。
とにかくクールな外観が男心をくすぐってくれます。
Amazfit T-Rex 3のセットアップ・使用方法
Amazfit T-Rex 3のセットアップ方法をレビューしていきます。
起動するとロゴが表示されます。
言語を選んで設定を開始します。
アプリを開いて新規デバイスの追加→時計を選んだらAmazfit T-Rex 3に表示されているQRを読み取ります。
ペアリングが自動で始まるので待ちましょう。
クールなウォッチフェイスが表示されたら完了です。
手順は洗練されていてスマホアプリと時計にそれぞれ案内が出るので迷わずにセットアップが可能になっています。
安心ですね。
Amazfit T-Rex 3を使ってみた
Amazfit T-Rex 3をしばらくの間使ってみました。
液晶画面について
Amazfit T-Rex 3の液晶画面はその大きさ「1.5インチ」がとても印象的です。
最大輝度2,000ニトに達するAMOLEDディスプレイでゴリラガラスが採用されているので、大きくて明るくて強く美しい画面です。
登山でも使用しましたが強い日差しの中でも負けない表示力は素晴らしかったですね。
ウォッチフェイス(盤面)もとても多くて美しく楽しいデザインが多いので、満足感がかなり高いです。
解像度は「480×480」の「332ppi」という高解像度になっています。縦横480個の粒で構成されていると言う意味なので美しさの裏付けがわかると思います。
▼ウォッチフェイス(盤面)変更の様子
アプリで気に入ったウォッチフェイス(盤面)をダウンロードして同期すればすぐに使える様になります。
操作インターフェイス
操作インターフェイスは左右二つずつのボタンになります。
右上のボタン
アクティビティメニューが開きます。
右下ボタン
「戻るボタン」でもあり、アプリメニューを開くボタンでもあります。さまざまなアプリや設定はここから開けます。
左上のボタン
クイックメニューが開きます。(画面を下へスワイプした時と同じメニュー)
左下のボタン
ショートカットメニューが開きます。(画面を下へスワイプした時と同じメニュー)
また、もちろん画面を上下左右にスワイプするとそれぞれのメニューを開けます。
操作の様子は動画でご確認ください。
▼Amazfit T-Rex 3操作動画
全般的に操作には特に不満はないのですが、Apple Watchに慣れているとクラウン操作がないのはちょっと物足りないなと感じました。
クラウン操作はApple Watchに搭載されているクラウン(ボタン)を回すとメニューを選んだりできる機能ですね。
本体の装着感・使用感
Amazfit T-Rex 3のベルトはリキッドシリコンという樹脂製です。
装着感としては特に不満はなくてベルト穴が多いのでフィット感も高いです。長時間つけていて特に違和感や不快な感じはありませんでした。
Amazfit T-Rex 3は画面も最大級なので重量も「68g」と重めですが、装着していて「重いな〜」と感じることは不思議とありませんでした。
ベゼルはステンレススチールでできています。Amazfit T-Rex 3の見た目を象徴するパーツだと思いますが、時折眺めてニンマリするほどの美しいクール・デザインはシンプルで男心を鷲掴みしますね。
登山・アウトドア利用
登山で使用してみました。
秋の登山ですが、昼過ぎの強目の太陽の光にも負けない画面の明るさで山の中でも頼もしいですね。
Amazfit T-Rex 3は山によく似合うので、時計を見るたびに思わず笑みがこぼれます。
登山ワークアウト中のメイン画面は「運動時間」「移動距離」「標高」「心拍数」が大きく表示されて上に小さく時刻が表示されます。
登山中に知りたい四大要素を大きな画面でしっかりと確認できるのは、登山中とてもありがたいです。
とにかく画面が大きくて明るいので情報が確認しやすいですね。
登山のパートナーとしてはとても頼もしいです。
バッテリーもち
Amazfit T-Rex 3のバッテリー持ちは驚異的です。
一般的な使用であれば「27日」で、もはや「ほぼ1ヶ月」ですよね!
この驚異的なバッテリー持ちは頼りになりますね。
GPSの精密モードの場合は「42時間」となりますが、GPS最大モードであれば「180時間」です。
日帰りか一泊程度の登山であれば精密モードでも問題なし、最大モードであればの1週間くらいの日程でも大丈夫ですね。
圧倒的なバッテリー持ちの良さです。
ルート記録
Amazfit T-Rex 3は6つの衛星に対応していて なおかつデュアルバンド方式なので、6つの位置情報システムから精度や速度の優位性があるものを自動で2つ選んでくれて、その2つの情報から位置を記録してくれているので、かなり精度が高い位置情報が安定的に取得できます。
以下の動画はスマホのアプリでの登山記録です。
▼動画
先日の登山の経路を見てみましたが、ところどころで衛星写真とのズレは多少あったものの、かなり正確にルートが記録されていました。
さらに、今回は試せなかったのですが、Amazfit T-Rex 3は「GPXデータ」という地図のルート情報を事前に取り込んでおく事ができます。
この機能を使うと、さらに登山ルートに関しての安心材料が増えますので頼もしさも倍増ですね。
ランニング利用
日々のランニングでも使用してみました。
走り出す時にサッとスタートできます。
ランニング中は1kmごとにバイブ通知があります。これが結構ありがたいですね。
ランニング中は思考が鈍っているのでバイブ通知はハッとさせられて距離やペースの事を考えるきっかけになります。
ハードな使用にも耐えられる作りなので安心です。
日常利用
僕は職場でもAmazfit T-Rex 3で過ごしてみました。
アウトドア系のデザインが印象的なAmazfit T-Rex 3ですが、シンプルなデザインなので意外とスーツに合わないこともない・・・と個人的には思いました。
防水性能は「10ATM」なので「室温で最大水深100mの静水圧に10分間耐えられる」という防水性能です。
日常の水は当然ながら全く問題がなくて、水場での使用「プールや素潜り」程度も同じく問題なさそうです。
かなり深く潜るダイビングとかだと性能をよく確認しておいた方が良いと思います。
音声AI機能
Amazfit T-Rex 3の目玉機能でもある音声AI機能「Zepp Flow」を使ってみました。
結論から言うと「なかなかの使い心地」でした。
使っている様子を動画にしましたので見てもらうと早いです。
▼Zepp Flowを使っている様子(動画)
かなり正確に音声入力ができました。
そして、Amazfit T-Rex 3の操作がしっかりとできるのと、何でも答えてくれるのはすごいですね。
AIはOpenAI社の「Chat GPT4o」を使っているみたいなので、納得の精度でした。
新機能でこのレベルならバージョンアップしていく内にかなり良くなっていきそうですね。
スマホが手元にある時はスマホが優先になりそうですが、車の運転中とか運動中とかスマホを手にできない時などはかなり役立ちそうですね。
m(>o<)m
というわけで、スマートウォッチにAI機能は「ぜんぜんアリ」です!
ただ、画面にテキストを表示する形なので情報量が多い場合は向いてませんね。
しかし、この様子だと会話形式でスマートウォッチのAIとのやりとりをガンガンできる様になるのも、時間の問題だと感じました。
▼Zepp Flowに関する詳細はこちら
健康管理
スマートウォッチに必須の健康機能「心拍数・血中酸素レベル・ストレス・呼吸」などを24時間モニタリングしてくれています。
お馴染みの「ワンタップで測定」機能もついていますので、「なんか調子悪いな・・・・」なんて時は僕ワンタップして計測をしています。
▼ワンタップ測定の様子
異常な値が検出された際には、即座にスマートアラートが発動するらしいので健康モニタリングに良いですね。
その他のおすすめ機能
その他にもおすすめしたい機能は盛りだくさんのAmazfit T-Rex 3ですが、個人的おすすめしたい機能をいくつか紹介します。
音声メモ
Amazfit T-Rex 3には音声メモ機能がついていますので、何か記録しておきたい事はサッと録音できます。
「To Do」や「リマインド」に使えるので僕は忘れそうな事をAmazfit T-Rex 3に音声で残す様にしました。
録音した内容はアプリ側でAmazfit T-Rex 3と同期した時にスマホで聞ける様になります。
気圧高度計
気圧と高度を教えてくれる機能があります。
登山やランニングなどで、場所場所の気圧高度をを知る事ができるのでとても重宝します。
僕もランニングで知らない場所を走る事がよくあるのですが、高度が分かると地理的な把握にとても役立つのでこの機能があると便利です。
ポモドーロタイマー
ポモドーロタイマーは集中力を高めて作業効率を上げるために時間を区切って作業をする時に使うタイマーですが、Amazfit T-Rex 3にもこの機能がついていてめちゃ便利でした。
イマイチだった点
気になった点、イマイチだった点をまとめています。
サードパーティアプリ
サードパーティのアプリをいくつかインストールしたのですが、きちんと動作しないモノがあったので、それは残念でした。
「Moon Calendar」という月の満ち欠けなどの情報を表示するアプリをインストールしたのですが、残念ながら正常に動作しなかったのでがっかりしました。
また、専用アプリ内でアプリを一覧で見られてインストールできる様になっているのですが、アプリの検索機能がなくて欲しいアプリを探すのに苦労しました。
カテゴリ別にアプリが分類はされているのですが、検索機能がないため全部を見て回らないといけません。
この辺はまだまだ発展途上の様子が伺えました。今後に期待したいポイントですね。
通話機能なし
Amazfit T-Rex 3はビープ音程度は出ますが、本格的なスピーカーはついていませんので、通話はできません。
NFC決済機能なし
Amazfit T-Rex 3はNFC機能を搭載していませんので、決済機能はついていません。
スマートウォッチを決済にも使いたいという方には残念ながら向いていません。
Apple Watchとの比較
僕はApple信者でApple Watchユーザでもあるのですが、今回、客観的にAmazfit T-Rex 3と比較した時に圧倒的にAmazfit T-Rex 3に軍配があがりました。
- バッテリー持ち
- AI機能
- 大画面
- 多機能
- ウォッチフェイス(盤面)の充実
- 防水&耐久性
ザッと思いつくだけで以上の点は圧倒的にAmazfit T-Rex 3が上でした。(僕の使っているApple Watch7と比較して)
正直、Apple Watchがキャッチアップできていない面が浮き彫りになって、Appleのスマートウォッチ事業の今後は大丈夫だろうか?と心配になるほどでした。
「なぜ?Apple Watchを使うのか?」というと「Apple製品との親和性」のみになってきている様に感じますね。それくらいAmazfitシリーズは進化してきているのが分かります。
メーカー
よく間違えられているのを見かけますが、「Amazfit」はブランド名で正式なメーカーは「Zepp Health Corporation(ゼップヘルス コーポレーション)」さんです。
ウェアラブルデバイスを中心にグローバルに展開されている中国の企業ですね。
IDC社が発表している「Worldwide Quarterly Wearable Device Tracker」によると、Amazfitブランドは、2021年度の世界の成人向けスマートウォッチ出荷台数で第5位となっているそうです。
2014年以降、全世界でなんと!2億台以上のスマートウェアラブルデバイスを出荷しているとのことなので、製品の安定感・安心感が確かなものだと感じますね。
また、シンガポールに拠点を置く調査会社Canalys社の調査結果において、2024年通年の日本国内におけるウェアラブルデバイス(スマートウォッチ&バンド)出荷台数で、第5位を記録している様です。
▼メーカーさん公式サイト
世界のスマートウォッチ市場を牽引している企業なのでブランドに安心感があるのと、個人的には今後の製品開発にもかなり期待をしています。
Amazfit T-Rex 3のスペック
Amazfit T-Rex 3のスペックをまとめました。
カラー | オニキス(黒)/ラバ(赤) |
サイズ | 約48.5×48.5×13.75mm(心拍ベース除く)/約48.5×48.5×15.85mm(心拍ベース含む) |
重量 | 約68.3(バンド含む)/約49g(バンド除く) |
ボディ素材 | ステンレススチール製ベゼル・ポリマー製ミドルフレーム |
ボタン | 4つ |
防水グレード | 10ATM |
ディスプレイ素材 | HD AMOLED |
ディスプレイサイズ | 1.5インチ |
解像度 | 480×480 |
PPI | 322 |
タッチスクリーン | ゴリラガラス |
バンド素材 | 液状シリコン |
バンド長さ | 145mm ~ 210mm |
バンド幅 | 22mm |
バンド仕様 | クラシックピンバックル |
バッテリー容量 | 700 mAh(標準値) |
充電方法 | マグネット式充電ベース |
充電時間 | 約3時間 |
健康 | バイオトラッカー™PPG |
運動 | 加速度センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサー、気圧高度計、周囲光センサー、温度センサー |
接続 | Bluetooth 5.2 BLE、Wi-Fi2.4GHz |
測位システム | デュアルバンド&6衛星測位(GPS、GLONASS、GALILEO、BDS、QZSS、NavIC) ※屋内位置サービスはサポートされていません。 |
モーター | リニアモーター |
スピーカー | 無 |
マイク | 有 |
ミニアプリ | 対応※一部日本語非対応 |
Alexa(日本語対応) | 無 |
オフライン 音声アシスタント | 無 |
スリープモード | 有 |
ウォッチフェイス | 400+ |
音楽ストレージ25 | 有 |
アプリ | Zeppアプリ ※タブレット未対応 |
搭載OS | Zepp OS 4 |
対応デバイス | Android 7.0 以上、iOS 14.0 以上 |
セット内容 | 時計本体(純正バンド含む)、専用充電ベース(ケーブルなし)、取扱説明書 |
Amazfit T-Rex 3のよくある質問Q&A
Amazfit T-Rex 3のよくある質問Q&Aをまとめました。
- iPhoneでも使えますか?
- Amazfit T-Rex 3は専用アプリ「Zepp」をインストールできればiPhoneでもAndroidでも使えます。
- メッセージなどの通知はできますか?
- アプリやメッセージツールごとに通知の設定が可能になっています。
- ダイビングでも使えますか?
- 10ATMの防水性能を有していますが、ダイビングの水深や環境要因によっては使えない場合があるのでマニュアルをよく読んで慎重な判断が必要です。
まとめ
しばらくの間、Amazfit T-Rex 3を使ってみましたが、結論から言うと「かなり満足」でした。
特に登山やランニングなどでの使用に関しては満足度が高かったです。とにかく大きくて見やすい大画面液晶が直射日光にも強く情報量も多いのでとても助かりました。
それ以外にも多くの機能が網羅的に盛り込まれていてスマートウォッチで行う作業がとても増えました。
さらに、AI機能「Zepp Flow」は画期的でかなり使える事が分かりました。手が塞がっている時でもスマートウォッチに話しかける事で操作ができたり、分からない事を調べて表示してもらう事もできるのは予想していたよりも便利でした。
これはスマートウォッチにとって今後は必須の機能になってくるのだろうな・・・という予感が確信に変わるほど強く印象に残りました。
さまざまな角度からAmazfit T-Rex 3をレビューして見ましたが、お値段以上の価値があると判断しました。
また、Apple Watchとの比較のくだりでも書きましたが、僕はApple Watchに戻った途端にとても便りなく感じました。特にバッテリー持ちに関しては比較にならないし、画面の見やすさや画面のバリエーションの多さなども圧倒的にAmazfit T-Rex 3に軍配が上がります。
正直、Apple Watchは旗色が悪いですね。
Apple Watchユーザで買い替えを考えておられる方はAmazfit T-Rex 3を選択肢の一つにすると良いと思います。