電子書籍が当たり前になった現代で百科事典的なジャンルのアナログ本は皆無と言っても過言ではないでしょう。
「The Book」はデジタル化・スマート化が進んだ現代へのアンチテーゼとも言える様な「分厚い紙の本」だ。
AIには描けないであろう美しくオリジナリティあふれる手描きの超緻密で丁寧に描かれたイラストが全編を通して展開されていて、現実とファンタジーの間を行き来させてくれます。
この記事では、不思議な魅力を持つ「The Book」についてのファーストインプレッションから全体をめくってみて、しばらくの間所有してみた感想をレビューしていますので、気になっている方は是非最後まで読んでみて下さい。
目 次
The Bookのメリット・デメリット
The Bookのメリットデメリットをまとめてみました。
- オリジナリティあふれる魅惑的なイラスト
- 所有欲をくすぐるアナログ感
- 圧巻の410ページ
- 本棚で放つ圧倒的な存在感
- アナログ本が嫌いな方には向いていない
- ややお高い
このレビューはメーカーさんに製品をご提供頂き、Studio Kamix(スタジオ・カミックス)の「メーカーさんに忖度しない」レビュー・ポリシーにご同意いただいて制作しております。m(>o<)m
The Bookの開封
それでは「The Book」を開封していきます。
The Bookは専用の段ボールパッケージに入って届きます。
段ボール自体もしっかりとしていてThe Bookを守ってくれています。
段ボールを開けると本体が現れますが、これは外側のハードケースになります。
ハードケースにもシルバーの印刷がされていて高級感が漂います。
さらにハードケースを開けると、いよいよ本体が登場です。
圧巻の表紙にしばらく目を奪われました。
The Bookの見た目
それでは本体を見ていきます。
本体の表紙はとても高級な仕上げがされていて、かなり厚みがあって触り心地の良いフェルトのような紺色の厚紙の上のシルバーの箔押しがされていて、さらにワンポイントで紅の箔押しがされています。
かなり手間のかかったゴージャスな装丁でワクワク感が止まりません。
まるで「魔法書」を手にしたような高揚感を演出してくれています。
ページ数全410ページという事で、かなりの厚みがあります。
本の背の部分もとてもしっかりと美しく作られているのが見てとれます。
大きさ
そして、「THE BOOK」は大きいです。
僕の13inch Macbook Proよりも一回り以上大きいので手に取るとずっしりと重くて読み応えがあります。
これぐらいのサイズ感が存在感があって良いですね。そして、もちろん中身も読みやすいですし、緻密なイラスト楽しむのにも適しています。
The Bookを読んでみた
本好きの僕としてはパッケージと装丁ですっかり気を良くしてしまいました。
さっそく中身へ進みます。
まずは目次が現れます。
僕が読んだのは英語版ですので、全編英語で記述されています。
目次では「FIRST THING〜最初の物」からはじまり「MEDICINE〜薬」「PLANTS〜植物」といったものが続きます。
その後、「ELECTRICITY〜電気」や「INDUSTRY〜工業」など多岐に渡っていて、様々な人類の文明について網羅的にカバーされているのが伺えます。
次いで、さっそく中身をパラパラと見ていきました。
これは井戸の仕組みに関して書かれたページです。
井戸の奥にはこんな大きな魚が棲んでいるのですでね・・・・・って、「えええっ?」
ん〜〜〜〜と、まことしやかなファンタジーって事ですよね?
しかし、イラストが美しい。深海魚の様な巨大な魚が鱗の表面まで細かく描かれていて思わず見惚れてしまいました。
「植物」のページではありそうで、なさそうな植物たちと土に埋もれた頭蓋骨が描かれていて「死と再生」を思わせる美しいイラストの世界観に思いを馳せるのでした。
人物画も多く現れます。
このイラストは「薬」の章でなにやら薬を精製している様ですね。
こちらも「薬」の章で紹介されている「スチーム・バス」の様子ですね。
ドラゴンが吐いた息が熱源として使われているサウナ、さぞかし熱くて気持ちよさそうですね。
ファンタジーの世界で癒されたいものです。
今回僕は英語版を選びましたが、ところどころよく分からないところはスマホの翻訳機能を使って読みました。
▼【参考】僕が使っていたApple社の翻訳アプリ
さまざまなイラストが描かれていますが、機械や乗り物のイラストもたくさん出てきます。
オリジナリティ豊かな描写で男心がくすぐられました。
こちらはさまざまな器具を付けられた牛のイラストです。
めちゃくちゃシュールな感じが想像を刺激して、とてもそそりますね。
こちらは人間がユニークな器具を用いてユニークな作業をしています。
何が出来上がるんだろう?ファンタジーですね。
こちらは建設現場ですね。
エッシャーの騙し絵に独特の世界観がプラスされていてファンタジーの建築技術に興味津々になりました。
巨大なタコと同化したかの様な船の断面図です。
荷室や家畜室など様々な部屋が細かく描かれていて、一つ一つ見ているとしばらく楽しめますね。
上層部にはバーもあるので、思わずそこで飲めるお酒ってどんなのだろう?と想像をしました。
複雑なロープワークで美しい人魚が捉えられています。
少しエロティックなイラストですが、独特の世界観の虜になりますね。
この飛行機もカッコ良い!
アナログな感じのデザインがなんともカッコ良いし、地味に地上の様子も気になる・・・。
この人が乗り込むタイプのロボットなんか最高ですね!
このプラモデルが出たらすぐ買いたいくらい、カッコ良いです。たまらんですね〜。
列車も萌え〜〜〜〜〜〜〜。
電話交換室的な職場でしょうか?
アナログ的な・・・ファンタジーの様な曖昧な世界観がとにかくそそりますね。
日本の盆栽のテイストが入ったイラスト。
時おり日本のオリエンタルなテイストも少しだけ入っていてバランス感覚が絶妙です。
映画マトリックスで日本のテイストが少し混じる様な感じでしょうか?絶妙なんですよね。
DJの機材ですね。
こんなDJ機材があったら絶対に買いたい・・・・。
チェスに似たゲームが亀の上に載っています。
このゲームもあれば即購入したい・・・・。キングとクイーンの後ろに入口と橋がついているのもたまらないですね〜、細部に魂がやどっています。
美しくストレンジな街並み、細部までこまかく表現されていて見ていて飽きませんでした。
この街の住人になった気分で街角を歩いている気分になれますね。
著者について〜誰が創ったの?
著者さんはチームで「THE BOOK」を作られている様で一人で作っているわけではなく、多くの方が携わっておられる様です。
その中でも代表的なメンバーがクリエイターのVsevolod BatischevさんとTimur Kadyrovさんのお二人ですね。
このお二人が「THE BOOK」のコンセプトから全体の総指揮を取られている様ですね。お二人ともクリエイターという肩書きで様々な経歴のある著名な方の様です。
▼Vsevolod BatischevさんのInstagram
https://www.instagram.com/vsevolodb/
▼Timur KadyrovさんのInstagram
https://www.instagram.com/demurg/
肝心のイラストなんですが、イラストもチームで作られている様でした。
メインのイラストレーターさんはLev Kaplanさんというウクライナ出身のアーティストの様ですね。
彼のHPで作品も見られるので、気になる方は訪れてみて下さい。
確かに「THE BOOK」のイラストだ!と納得しました。彼の独自作品も気になりますね。
その他にもチームメンバーがたくさん居られて、全体を通してプロフェッショナルが集まってチームで創り出しているので質の高いモノができている様です。
メーカー
メーカーである「ハングリーマインズ(Hungry Minds)」は、アラブ首長国連邦、ドバイに本社を構える出版専門の会社です。
ハングリーマインズは、世界中のさまざまな国の出身者で構成されていて文化交流に情熱を持った好奇心旺盛なメンバーが集まっているのだそうです。
世界を股に掛けるドバイにある出版専門会社なんて・・・それだけで興味津々になってしまいます。とてもユニークな存在ですね。
The Bookのスペック
The Bookのスペックをまとめました。
サイズ | 230mm × 340mm |
ページ数 | 410ページ |
ハードカバーの仕様 | 3mmの紺色厚紙、箔押し加工(シルバー、レッド) |
ページの仕様 | ローレンス紙130gsm |
見返し | 150g/m²(170g/m²まで)マットコート紙 |
製本 | ラウンド背、レース紐しおり |
デザイン国 | ドバイ |
編集国 | ドバイ |
生産国 | 中国 |
The Bookのよくある質問Q&A
The Bookのよくある質問Q&Aをまとめました。
- THE BOOKは百科事典ですか?
- 百科事典ではありません。文明を再構築するというコンセプトの元に作られたファンタジー本です。
- THE BOOKは小説ですか?
- 小説などの類ではありません。ページごとに読める読み物になっています。
- 英語版だけですか?
- 「THE BOOK」は英語版と日本語版の2種類から選べます。
まとめ
「THE BOOK」をしばらく手元に置いて、何度か読み返しました。パラパラとめくりながら気になったページを見ているとその都度「あれ?こんなイラストあったっけ?」とか「あれ?こんなとこにも〇〇が!」みたいな発見があるんですよね。
そして何より想像の世界についついのめり込んでしまい色々と空想に耽ってしまう事がしばしばありました。
「THE BOOK」は大人の想像力を掻き立てる力があるので、僕は読んだ後に「さあ、自分も何か創りたい!」という気持ちになってレビュー記事を書いたり、イラストを書いたり、家の図面を書いたりと創造したい気持ちに駆り立てられました。
そういう意味では、手元にあると「創造するためのエネルギー」になる様な本ですね。
とても気に入ったのでワークデスクの上に置いて、仕事の手が止まった時や効率が上がらない時に開いて創造エネルギーをもらう様にしたいと思います。
気になっている方には是非その手に取って読んでもらいたい本ですね。